オオゲジはガラス細工のような繊細で美しい歩脚を持っています。この歩脚はどのような機能を持っているでしょうか。
特徴的な歩脚の役割の一つに捕食時の拘束があります。これはオオゲジがゴキブリを捕食している場面を撮影した写真です。中央のピントが合っている箇所に注目すると、オオゲジの歩脚がゴキブリの脚にぐるっと巻き付いているのが見て取れます。このようにゲジは歩脚の先端部を内側に巻いて獲物を拘束することができます。拘束したら毒牙(顎肢)をプスッっと刺して毒を注入し、獲物が動けないようにして食べはじめます。
ゲジ(ゲジ目)のもつ歩脚は細長く、先端がムチのようになっているという特徴があります。
この歩脚の使われ方は様々です。捕食する時には歩脚の先端部を巻き付けて獲物を拘束するのに使われます。一方で逃走や獲物を追う際には、このしなやかな歩脚が素早く走ったりジャンプしたりすることを可能にします。また、逃げる際に外部からの刺激を受けるなどすると比較的簡単に自切し、自切された脚がカチカチと音を立てて動いてゲジ本体の身代わりになったりもします。
ゲジを観察する際は、美しさと高い性能を兼ね備えた歩脚をぜひ見てほしいと思います。