このアシナガキアリは東南アジア原産の外来種で、主に沖縄などで定着しています。このような外来アリはしばしばスーパーコロニーという巨大なコロニーを作ることがあります。スーパーコロニーとはなんでしょうか。また、なぜ外来アリはスーパーコロニーを作るのでしょうか。
このエゾアカヤマアリは日本の高標高や高緯度の地域に見られる比較的珍しいアリです。外来アリとは異なり、土地開発などによって生息地を減らしつつあります。
上の図で示すように、「巣」とはアリが住み、子育てなどを行う家のような空間のこと、「コロニー」とは1~複数匹の女王から生まれた個体による、家族のような集団のことを指します。アリは同じコロニーのメンバーに対しては協力的ですが、他コロニーに対しては敵とみなして争います。また、巣を複数持っていてもあまり広範囲には広がりません。
1つのコロニーが広範囲(数百m~数千km)に広がり、とても多くの巣と女王を持つ巨大なコロニーを作るアリもいます。このようなコロニーのことをスーパーコロニーと呼びます。1つのスーパーコロニーの中では、どんなに遠く離れた個体同士でも同じコロニーのメンバーと認識するため敵対しません。
エゾアカヤマアリのように、スーパーコロニーを作るアリは在来種にも数種います。一方で、侵略的な外来アリにもスーパーコロニーを作る種は多く見られます。この理由は、スーパーコロニーは他種のアリとの競争や環境のかく乱に強く、侵入したときに定着しやすいためなどと言われています。
これらの外来アリはコロニーの規模がとても大きく、一部の女王が死んでもコロニーは滅びないため、一度定着してしまうと根絶が難しくなります。