トンボには2万個程度の個眼が集まった複眼と、3個の単眼があります。それぞれはどのような機能を持っているでしょうか。
トンボの単眼は複眼と複眼の間にあります。写真は顔を正面からみたもので、単眼を赤い点線で縁取っています。位置を確認してみましょう。
たくさんの個眼が集まった複眼も、上下で質が異なっています。写真はトンボの顔を横からみたもので、複眼を赤と青の点線で上下に囲い分けています。
実はトンボの眼は複眼だけではありません。見た目では気づきにくいですが、トンボは2万個程度の個眼が集まった複眼に加え、3個の単眼を持っています。これらはそれぞれどのような機能を持っているでしょうか。
複眼と複眼の間、頭の頂点には3個の単眼を持っています。トンボはこの単眼を使って明るさを感じると言われています。
トンボの頭には左右に大きな複眼があります。この複眼は動きを捉えることができると言われますが、実はこの複眼にも上の部分と下の部分で違いがあります。複眼の上の部分は遠くのものを捉えるために使われると言われています。一方で複眼の下の部分では近くのものを見定めるために使われると言われています。例えば複眼の上部分で見て遠くの敵をロックオンし、近づいてから複眼の下部分で見て本当に獲物であるか確認して捕縛する、というように使い分けられています。まるで遠近両用メガネですね!!
余談になりますが、アキアカネを用いた研究によると、複眼の上下で色覚も異なっており、上部分では紫外線から青緑色の短い波長の光が見えており、下部分では紫外線から赤色まで幅広い波長の光が見えているとわかってきました。トンボの眼にはまだまだ知られざる機能があるかもしれません。