まるで豆に足が生えたようなこのシルエットはいったい何でしょう?
細長い足をもつこの節足動物は、ザトウムシと言います。この名前は漢字での名前の「座頭虫」をカタカナにしたものです。
座頭とは、江戸時代で「目が見えない人」を指した言葉の一つです。ザトウムシはその長い足を前に出して、手探りするように動かしながら歩行します。この姿が、目の見えない人が杖を使って行く先を探りながら歩く姿に似ていたため、座頭虫という名前で呼ばれました。
実際に、第二対目の足は、触覚と同じように周囲を探るために使われることが分かっています。最近の研究では、少なくともいくつかの種において第一対目の足も重要な感覚器官であること。獲物や仲間の認識は直接触れて化学的な構造を感知することで行われていること。などが分かってきました。
ザトウムシの足は、ただ長いわけではなく、さまざまな秘密が隠されているようです。