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まんまるまるまるタマヤスデ

分類群:多足類
ジャンル:進化

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写真

魅力パネル

写真に写っている生き物はいったいなんでしょうか。ダンゴムシに見えますか?いいえ実はこれはダンゴムシではなくタマヤスデです。でも確かによく似ています、どうしてダンゴムシとタマヤスデは似ているのでしょうか。

展示解説

 タマヤスデは球状に丸くなれるヤスデで、落ち葉の中や朽木の下などに見られます。タマヤスデが丸くなることにはどんな意味があるでしょうか。タマヤスデ以外のヤスデも渦巻状に丸まったりしますが、それらは体の弱い部分を内側にして守るためであるとか、外敵に襲われたとき丸くなることで落ち葉の間をままころころと転がり落ちてその場から逃れられるためであるとか、表面積を小さくして水分等が失われにくくするとか、いろいろなことが考えられています。

 タマヤスデについてざっくりと知って、ではタマヤスデとダンゴムシとの関係はどうなのかと気になりますよね。ダンゴムシとタマヤスデはよく似ていますが、実は全く別の系統に含まれます。ダンゴムシは甲殻類に分類されエビやカニと同じ祖先から進化してきました。一方でタマヤスデは多足類に分類されムカデやヤスデと同じ祖先から進化してきました。どうして別々に進化しているのに姿かたちが似ているのでしょうか。これはどちらの種も同じ様な環境に適応した結果、同じ様な形態に進化したためと言われています。タマヤスデとダンゴムシはどちらも同じように落ち葉の中などに生息し、それぞれがその環境に合わせて進化しています。ダンゴムシもタマヤスデと同様、丸くなれることで身を守ったりすることができたと考えられます。そうして進化した結果どちらも球状に丸くなるという能力を得たと考えられているのです。

 タマヤスデとダンゴムシの例のように、別々の祖先から同じような姿かたちや機能を獲得するような進化は、特に収斂進化(しゅうれんしんか)と呼ばれます。この収斂進化は他にも様々なもので知られており、例えばイルカとサメの“ひれ”様の形態やコウモリとトリの“はね”様の形態などが知られます。